2026年8月23日

こんにちは。高田馬場早稲田通り歯科・矯正歯科の医療コラムです。
「血糖値が高いと言われたけれど、歯医者さんには関係ないかな」と思っていませんか?
実は、糖尿病と歯周病は「相互に悪影響を及ぼし合う関係」にあり、歯周病は“糖尿病の第6の合併症”とも呼ばれています。
しかし、近年の学術データでは、「適切な歯周病治療を受けることで、糖尿病の指標(HbA1c)が改善する」という非常に明るい事実も明らかになっています。
今回は、なぜ歯周病治療が血糖コントロールに繋がるのか、そのメカニズムと治療のポイントを解説します。
1.データで見る!歯周病治療で数値(HbA1c)が改善する理由
糖尿病をお持ちの方は、健康な方と比べて歯周病の発症率が「約2.6倍」高いという学術データがあります。歯周病は成人が歯を失う(抜歯になる)原因の第1位でもあり、糖尿病の進行とともにお口のトラブルのリスクも高まります。
臨床研究のデータでは、全顎的な重度歯周病に対してSRP(スケーリング・アンド・ルートプレーニング:歯ぐきの奥の歯石や汚れを除去する専門的清掃)を実施したところ、以下のような変化が見られました。
【最新の研究データ】 1型・2型糖尿病患者さんを対象とした研究でも、SRPを含む本格的な歯周病治療を行ったグループは、治療を行わなかったグループと比較して3〜4ヵ月後のHbA1cが「0.43%低下」したと結論付けられています。
これは、糖尿病の飲み薬を1種類追加した際と同等レベルの改善効果に匹敵することもあり、歯科でのアプローチが全身の健康管理に大きな意味を持つことを示しています。
2.なぜ?糖尿病と歯周病が引き起こす「悪循環」の仕組み
糖尿病と歯周病は、お互いを悪化させ合う「負のスパイラル」を形成しています。
【糖尿病 ➔ 歯周病が悪化する理由】 高血糖が続くと、細菌と戦う白血球の機能が低下して免疫力が落ち、歯周病菌に感染・重症化しやすくなります。さらに血管の血流障害によって、歯ぐきの組織修復力も低下してしまいます。
【歯周病 ➔ 糖尿病が悪化する理由】(ここが重要!) 歯周病菌が出す「内毒素(エンドトキシン)」や炎症性物質(TNF-αなど)が、歯ぐきの毛細血管から全身の血流へと入り込みます。これがインスリンの正常な働きを邪魔する(インスリン抵抗性を高める)ため、血糖値が下がりにくくなってしまいます。
つまり、歯周病治療によって歯ぐきの慢性的な炎症を取り除くことは、全身を巡る炎症物質を減らし、インスリンがしっかり働ける環境を整える(=血糖値低下)ことに直結します。
3.糖尿病の方が歯周病治療を受ける際のポイント
当院では、糖尿病をお持ちの患者さまにも安心して安全に治療を受けていただけるよう、医科の主治医の先生と連携した診療を行っています。
・医科との連携・お薬手帳の確認 血糖値や直近のHbA1c値、内服薬やインスリン注射の状況を確認した上で、安全に配慮した処置計画を立てます。
・治療タイミングの配慮 低血糖発作を防ぐため、食事をしっかり取った後の体調が安定している時間帯での受診をご案内しています。
・セルフケアとプロケアの両立 毎日の丁寧なブラッシング指導に加え、歯科衛生士による歯石除去(SRP)で細菌の温床を徹底的に除去します。
・定期的なメインテナンス 糖尿病の方は歯周病が再発しやすいため、3〜4ヶ月ごとの定期検診でお口と全身の健康状態を維持します。
4.まとめ:お口のケアから全身の健康を守りましょう
歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、知らず知らずのうちに進行し、お口の中だけでなく全身の血糖コントロールにも大きな影響を与えています。
・歯ぐきから血や膿が出る ・朝起きると口の中がネバつく ・歯が長くなった気がする、グラつく ・健康診断で血糖値の高さを指摘された
このような症状や心当たりがある方は、ぜひ一度、高田馬場早稲田通り歯科・矯正歯科までご相談ください。お口の健康を整えることが、あなたの身体全体の健康と豊かな生活を守る大切な一歩となります。

