2026年9月13日

こんにちは。高田馬場早稲田通り歯科・矯正歯科の医療コラムです。
「唇の内側にプチッとした水ぶくれのようなできものができた」
「一度潰れてしぼんだのに、また同じ場所が膨らんできた」
このような症状で受診される患者さんはとても多くいらっしゃいます。これは一般的な口内炎ではなく、「粘液嚢胞(ねんえきのうほう)」と呼ばれる良性のできものである可能性が高いです。
今回は、粘液嚢胞がなぜできるのか、自然に治るのか、そして歯科医院での治療法について分かりやすく解説します。
1. 粘液嚢胞(ねんえきのうほう)とは?
お口の中には、唾液(つば)を作り出す小さな組織である「小唾液腺(しょうだえきせん)」が無数に存在しています。唇(口唇腺)、頬(頬腺)、舌(舌腺)、上あご(口蓋腺)など、粘膜のすぐ下にたくさん散らばっています。
粘液嚢胞とは、何らかの原因で唾液を出す細い管(導管)が傷つき、行き場を失った唾液が粘膜の下に風船のように溜まって膨らんだものです。お口の中にできる柔らかいできもの(軟組織嚢胞)の中では、もっとも頻度が高いもののひとつです。
特に下唇の内側によく見られます。
2. なぜできるの?主な原因
粘液嚢胞ができる主なきっかけは、粘膜への日常的な刺激や外傷です。
こうした刺激によって唾液の細い出口が傷ついたりちぎれたりすると、唾液が外に出られず、皮下に漏れ出して袋状に膨らんでしまいます。
3. 自分で針で刺したり、潰してもいいの?
粘液嚢胞は、食事などで噛んでしまって自然に破れ、中の唾液が出て一度しぼむことがあります。そのため「治ったかな?」と思いがちですが、高い確率で再発します。
唾液を出し続けている「原因の小唾液腺」そのものが残っている限り、傷口が塞がると再び唾液が溜まって膨らんでしまうためです。
また、気になってご自身で針などで突いて潰してしまうと、細菌感染を起こして炎症や痛みを引き起こすリスクがあるため、絶対に自分で潰さないようにしてください。
4. 歯科医院での治療法
粘液嚢胞はお薬で小さくすることが難しいため、「原因となっている小唾液腺ごと摘出する小手術」が基本的な治療法となります。
処置時間は15〜30分程度で、日帰りで行うことができます。原因となる唾液腺を一緒に取り除くことで、再発のリスクをぐっと減らすことができます。
5. 唇以外にできた場合や、他の病気との見分け
小唾液腺はお口のいたる所にあるため、舌の裏側や頬の内側、舌の先端などにできることもあります。
まとめ
唇の内側にできた水ぶくれが「何度も膨らんだり縮んだりを繰り返している」「痛くはないけれど邪魔で気になっている」という場合、それは粘液嚢胞かもしれません。
局所麻酔による簡単な小手術でキレイに取り除くことができ、再発の心配も減らせます。
当院では口腔外科学会認定医による口腔外科日を設けております。お口のできものや気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

